北アフリカ原産のタイガーナッツは、カヤツリグサ科の植物の地下茎から採れるスーパーフード。正確にはナッツ(木の実)ではなく、ジャガイモやエシャロットのような塊茎野菜の一種になります。食物繊維などが豊富で、古代エジプトの時代から愛されてきました。
タイガーナッツの魅力
ダイエットフード中の栄養補給に
タイガーナッツは100年以上も昔から利用されてきたスーパーフードですが、最近ではヘルシーかつ高栄養なことが注目され、世界的に人気を博しています。
そんなタイガーナッツの栄養価は、ゴボウの10倍以上の食物繊維やアーモンドの2倍以上のビタミンEをはじめ、カリウムなどのミネラル、オレイン酸を中心とした脂肪酸 で構成されています。
またタイガーナッツは、血糖値が上昇しにくい低GI食品なうえに、グルテンフリーですから太りにくい食品です。しかも、噛みごたえがあって満腹感を得やすく、ダイエット中にピッタリのスーパーフード。食物繊維も豊富ですから、便秘になりやすいダイエット中の腸内環境対策にも役立ちます。
タイガーナッツの食べ方
日本で市販されているタイガーナッツは乾燥させたものが一般的です。皮付きのまま乾燥させたものと、皮をむいて乾燥させたものがありますが、食べ方はどちらも同じです。
ナッツ感覚でそのまま食べるか、グラノーラなどに混ぜる、といった感じで利用して下さい。また、煮物などのような和食に使っても違和感がありません。
ちなみに、タイガーナッツをよく利用する国「スペイン」では、一晩水に浸けたタイガーナッツをミキサーなどでジュース状(ペースト状)にした「オルチャータ」という飲み物が人気です。オルチャータは豆乳などと同じベジタブルミルクの一種ですから、そのまま飲むだけでなく、料理に使ったりすることもできますよ。
タイガーナッツの選び方
産地と品種で選ぶ
タイガーナッツはスペインや北アフリカなど地中海沿岸で栽培されているものが多いですが、品質に定評があるのは、スペインのバレンシア地方産のものなどです。
また、タイガーナッツには粒の大きさや色によっていくつか品種があり、オルチャータなどのジュースに利用する場合は、「大粒の品種」や「黒粒の品種」の方が適していると言われます。栄養価については、品種ごとの差はほとんどありません。
タイガーナッツの豆知識
カロリーオーバーに注意
タイガーナッツナッツ類よりもカロリーが低め、それに低GI食品でグルテンフリーだから太りにくいと言われます。ただし、100g当たりのカロリーは500kcalほどと、白米の約3倍のカロリーです。食べ過ぎればカロリーオーバーになりますので、注意して下さい。
タイガーナッツって、どういう野菜??
タイガーナッツはナッツじゃなくて「野菜」だという説明を見かけますが、では実際にどういう種類の野菜なのでしょうか?
まず「ナッツ」とは本来、木の実のことを指します。豆の場合は「ビーンズ」です。ちなみに「ピーナッツ」はナッツではなく、豆(ビーンズ)が正解です。そして、このような木の実や豆を「種実類」といいます。
ところがタイガーナッツは、ナッツ(種実類)ではなく、植物の茎が膨らんだ「塊茎」と呼ばれる部分にあたります。
この「塊茎」という言葉はあまり一般的ではありませんが、塊茎を食べるものにはレンコンやショウガ、ニンニク、じゃがいもなど普段から口にしている野菜がたくさんあります。また、塊茎は地下(土の中)にできやすく、塊茎野菜の多くは根菜類(=地中にある茎や根を食べる野菜)に分類されています。
タイガーナッツも、地下にできる塊茎ですから、根菜の一種といえます。
※余談ですが、野菜の分類は植物学の観点と栄養学の観点では微妙に違いがあったりしますので、実際にはかなり複雑です。例えば、「ジャガイモ」は塊茎、「サトイモ」は球茎、「サツマイモ」は塊根(茎ではなく根)を食べるイモ類で、どれも根菜類に含まれます。ニンジンだと直根(根の部分)を食べる緑黄色野菜で、こちらも根菜類に分類されます。