内臓脂肪が多い状態が続くと、〝生活習慣病〟になる危険が高まります。この生活習慣病に含まれるのが、高脂血症 / 動脈硬化 / 脳梗塞 / 糖尿病などの病気。
どれも自覚症状が出にくい病気であるため、発症を防ぐには原因となる内臓脂肪を減らしていく必要があります。
内臓脂肪が病気につながるまで
生活習慣病の発症に共通する原因が血中の脂肪(中性脂肪 / コレステロール)の量。内臓脂肪がたくさんあると、血中に放出される中性脂肪の量も増します。
血中の善玉コレステロールは悪玉コレステロールを運び去る働きをしていますが、血中に中性脂肪が多くなることによって善玉コレステロールが減ってしまい、悪玉コレステロールが増える原因になります。この状態が高脂血症ですね。さらに悪玉コレステロールは中性脂肪と一緒になって血管の傷などに付着し、血管をふさいだり硬化させたりします。これが動脈硬化です。血管がつまる作用が脳内で発生した場合には脳梗塞、心臓で発生した場合には狭心症や心筋梗塞になることもあります。
インスリンの過剰分泌
食事のスタイルによっては、インスリンの過剰分泌によって内臓脂肪の貯蓄がより多くなることがわかっています。インスリン分泌のきっかけが血糖値の上昇で、主に炭水化物を多くふくむ食品が体内でブドウ糖(血糖)に変化することで血糖値が上昇し、それに反応してインスリンが分泌されます。インスリンはそれらの糖を必要な臓器、細胞に配ったり、余剰分を蓄えたりすることで血中のブドウ糖の量をもとの状態にもどす働きを担っています。
黒ウーロン茶などにみられるキャッチコピーが〝血糖値の上昇を抑える〟というものですが、これは〝インスリンの分泌をおさえる〟ということでもあります。
インスリンの働き(ブドウ糖を筋肉などへ運ぶ / グリコーゲンとして蓄える / 脂肪の合成を促進する)のなかで内臓脂肪が増える原因になるのが〝脂肪の合成〟。
インスリンが過剰分泌されるのは空腹時に糖質の多いもの(ごはん類、パン類、麺類など)を大量に食べるというもの。体にとってはエネルギー源となる物質が一時に大量に入っていくるわけですから、貯蓄しようとする作用が強くなるのは当然ですね。
インスリンは膵臓で生成され分泌されますが、糖質の多いものを食べることが常習化することで膵臓が疲弊し、インスリンが生成されなくなったり、(インスリン低下)インスリンの代謝が行われなくなったり(インスリン抵抗性)といった問題がおこり、それによって血中の血糖(ブドウ糖)が処理されずに残る〝糖尿病〟を発病する原因にもなります。
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