サチャインチオイルはインカインチオイルとも呼ばれ、オメガ3を豊富に含むスーパーフード。アンデス地方原産の木の実「サチャインチ」(インカグリーンナッツとも呼ばれる)を絞って作られます。比較的加熱に強いことから、オーガニックレストランなどでも利用されています。
サチャインチオイル/インカインチオイルの魅力
オメガ3が豊富な万能薬オイル
サチャインチオイル/インカインチオイル(以下、どちらかで記載)の主成分は、α‐リノレン酸というオメガ3必須脂肪酸。その含有量は50%ほどですから、えごま油や亜麻仁油などと同レベルのオメガ3系オイルと言えます。
α-リノレン酸は、代謝を促進したり血液をサラサラにする効果、免疫力や腸内環境の改善、脳細胞の活性化などが期待されていますから、インカインチオイルを摂取することで色々な健康効果を得ることができます。
花粉症などのアレルギー対策に
サチャインチオイルは免疫力を高める働きがあることから、花粉症対策の一環としてサチャインチオイルを取り入れる方も増えてきました。実際にサチャインチオイルを摂取することで免疫力が高まり、花粉症の症状が緩和されたというデータもあるようです。
酸化や熱に強い
インカインチオイルには、抗酸化力の高いビタミンEが含まれているため、オメガ3系のオイルの中でも比較的酸化に強いと言われています。また、スモークポイント(煙の出る温度)も他のオメガ3オイルより高めのため、簡単な加熱調理に対応可能な便利で魅力的なスーパーフードです。
サチャインチオイル/インカインチオイルの食べ方
サチャインチオイル(インカインチオイル)の風味の特徴は、青みがかった色と香り。そして、ほんのりと感じるインカグリーンナッツの苦味です。エクストラバージンのものは、特に風味を強く感じます。
風味にクセがある点を除けば、基本的にオリーブオイルなどと同じように使えます。フレッシュな風味を楽しみたければ、サラダやマリネ、カルパッチョに利用したり、パンに浸けて食べる、オイル漬けを作るといった様々なレシピがあります。クセを抑えたい方は、味や香りの強いメニューに利用して下さい。
また、加熱調理にも対応してますので、炒めものやスチーム料理に使ったり、スープや焼き立てピザの仕上げにチョイ足しといった使い方もできます。ただしサチャインチオイル(インカインチオイル)を加熱する場合は、180℃で5分ほどを目安にしてください。
それと最後に一つ、ぜひやってみて欲しいのが宮崎県のご当地メニュー「冷汁」にチョイ足しです。インカインチオイルの風味が冷汁の良いアクセントになって、暑い夏でも食が進みますよ。
サチャインチオイル/インカインチオイルの選び方
サチャインチオイルが酸化や熱に強いとはいえ、高温にさらされたり製造日から時間が経ったりすれば劣化します。そのため、サチャインチオイルを選ぶときは、①「低温圧搾」という非加熱製法で製造されていること、②賞味期限に余裕のあるもの(最長1年ほど)の2点に注意して下さい。
また、サチャインチオイルの中でも、「アグロインダストリアス・アマゾニカス社」というペルーの会社が製造したものは「インカインチオイル」という名前で売られています。これは、「Inca inch」(インカインチ)が同社の登録商標になっているからです。日本では、どちらかといえばインカインチオイルという名前の方がポピュラーですし、信頼性も確かですから、こちらを選ぶ方が無難かもしれません。
なお、サチャインチオイルもインカインチオイルも栄養価はほとんど同じです。原材料の主産地も南米のペルーなどアマゾン川流域の国々に限られます。
サチャインチオイル/インカインチオイルの豆知識
サチャインチパウダー(インカインチパウダー)もオススメ
サチャインチを使ったスーパーフードは、オイルだけではありません。サチャインチをまるごと粉砕した「サチャインチパウダー」(インカインチパウダー)というものもあります。こちらもオイルと同じくオメガ3が豊富ですし、オイルにはない食物繊維やミネラル分なども含まれています。
世界的に品薄のインカインチオイル
スーパーフードの中でも、サチャインチ(インカインチ)はそれほど生産量がありません。また、天候などの気候にも影響されやすく、収穫量や価格が変動しやすいスーパーフードです。ところが近年、インカインチオイルのニーズが急激に増えたため、原料不足や価格の高騰が深刻化しているようです。