スーパーフード「カカオニブ(パウダー)」とは

カカオニブ

カカオニブは、カカオ豆(カカオビーンズ)を粉砕してフレーク状にしたもので、これをさらに細かく粉状にするとカカオパウダーになります。どちらもカテキンをはじめとしたポリフェノール類を多く含み、アンチエイジングなどの効果が期待できるスーパーフードです。

カカオニブ(カカオパウダー)の魅力

1.抜群のアンチエイジングパワー

「神の食べ物」と称されるほど栄養価の高いカカオニブは、強い抗酸化力も兼ね備えたスーパーフード。カカオニブ(パウダー)の抗酸化力を「ORAC値」(食品の抗酸化力を表す指標)で比べてみると、パウダーの場合でブルーベリーの10倍以上というデータがあり、非常に高い値を誇っています。

この抗酸化力のもとになっているものが、カカオニブなどに含まれるカテキンといったポリフェノール類。カテキンは緑茶などにも含まれる強い抗酸化成分で、高いアンチエイジング効果が期待できます。また、生活習慣病や感染症、ガン予防、血糖値や肥満体質の改善、といった様々な健康効果を持ち合わせています。












2.精神面をサポートしてくれる

チョコレート(カカオ)を食べると、無性に幸せな気持ちになることはありませんか?それは、単に甘いものを食べているからではなく、カカオに含まれた「しあわせホルモン」と呼ばれる物質のおかげなんです。

たとえば、「アナンダアミド」(AEA)は、モチベーションを引き起こしたり、高揚感・癒し・安眠などを与えてくれると言われる脳内麻薬物質の一つで、免疫を抑制する働きによって炎症や免疫の調整などにも作用すると考えられています。

また、「フェニルエチルアミン」(PEA)は、恋をしたときに脳内で分泌される物質と言われ、ドキドキ感・ときめき感をもたらすと考えられています。

こういった精神作用のある成分をいくつも含んでいるのもカカオニブの魅力。食べると幸せな気持ちになる理由が科学的に説明されていたことに驚かされるスーパーフードです。

3.食べやすい&使いやすい

風味にクセのあるスーパーフードは日本人にとって抵抗のあるものも多いですが、カカオニブやカカオパウダーは昔からチョコレートなどのお菓子にも使われてきましたから、日本人にもなじみ深く、使いやすいスーパーフードです。

 


カカオニブ(カカオパウダー)の食べ方

カカオニブやパウダーは昔から利用されてきたスーパーフードですので、チョコレートなどをはじめとした様々な利用法が存在します。インターネットで検索するだけでもかなりのレシピがヒットしますので、ここではおおまかな使い方だけを紹介します。

まず、カカオニブ・カカオパウダーともに、なるべくなら非加熱(ローカカオ)で利用する方が、栄養素の変質を抑えることができます。

カカオニブとカカオパウダーは栄養量に大差ありませんが、カカオニブの場合はフレーク状になっていますので、グラノーラの具材にしたり、お菓子のトッピングなどにドライフルーツ感覚で利用したりと、食べ物としての使い方が中心になります。

カカオパウダーの場合だと、細かい粉末状になっているため、スムージーやヨーグルトのフレーバーとして混ぜ込んだり、バナナにふりかけてチョコバナナにする、などといった調味料感覚で使うケースが多くなります。

どちらを利用されるかは、ご自分の食生活やライフスタイルを踏まえて判断されると良いと思います。なお、カカオニブ、カカオパウダーとも、そのままですと甘みはありませんのでご注意を。

【カカオニブを使った非加熱のお手軽レシピ例】

室温に戻したココナッツオイルをカカオニブにたっぷり絡めたら、製氷用のトレーなどに小分けして冷蔵庫で1時間ほど冷やし固めて下さい。仕上げにココナッツシュガーをまぶせば、優しい甘さとカカオ&ココナッツの香りがクセになる、一口サイズのスーパーフードスナックの出来上がり。カカオニブの代わりに、カカオパウダーをまぶしたミューズリーなどでもOKです。

 

 


カカオニブ(カカオパウダー)の選び方

1.有名な産地は?

世界で生産されるカカオの大多数は、アフリカ産となっています。しかし実際のところ、カカオは中央アメリカや南アメリカが原産の植物で、スーパーフードメーカーから発売されているカカオニブやカカオパウダーも、アフリカ産よりペルーなど南米産のものが中心になっています。

南米とアフリカ、どちらの方が良いかというデータはありませんが、スーパーフードの栽培実績という点では、マカやカムカムなど色々なスーパーフードを抱えている南米の方が優位かもしれません。

2.オススメの品種は?

お米と同じでカカオ豆にも品種があり、下の3種類に大別されています。

・フォラステロ種 南米原産の苦味が強い品種で、世界で流通しているカカオのほとんどを占める
・クリオロ種 苦味が少なく味は良いとされるが、栽培が難しく生産量が少ない貴重なカカオ
・トリニタリオ種 フォラステロ種の栽培性とクリオロ種の食味性を併せ持つといわれる品種

この中からお菓子用のカカオニブやパウダーを選ぶのであれば、苦味の少ないクリオロ種が間違いなく最高級です。しかし、スーパーフードとして健康効果を期待する場合は、苦味の強いフォラステロ種がオススメ。それは、苦味の正体が「ポリフェノール」だと考えられるからです。

カカオニブ(カカオパウダー)の効果のもとなるのはポリフェノールですから、せっかく購入するのであればポリフェノールが豊富な品種を選びたいものですね。

 


カカオニブ(カカオパウダー)の豆知識

カカオニブは妊婦が食べても大丈夫?

カカオニブにはカフェインが含まれています。カフェインといえば、妊婦の方は摂取を控えた方がよいという意見もありますので、実際にカカオニブに含まれるカフェインがどの程度か検証してみます。

まずはじめに、「①コーヒーや緑茶飲料に含まれるカフェイン量」と②「妊娠中のカフェイン摂取の目安」を下記に示します。

①コーヒーや緑茶飲料に含まれるカフェイン量

コーヒーの場合は、100mL中に約40mg(インスタントは約26mg)のカフェインが、緑茶は100mL中に13~20mgのカフェインが含まれています(wikipedia「カフェイン」の項目から100mL当たりの含有量を計算。150mLにすると約コーヒーカップ1杯分となりますが、コーヒーもお茶も種類や抽出方法によって含有量に差がでます)。

②妊娠中のカフェイン摂取の目安

妊婦のカフェイン摂取量について勧告を出している国々は、1日あたり200~300mgを上限に設定しているところが多く見られます。なお、WHO(世界保健機関)の公表では、コーヒー換算で1日あたり3~4杯が妊婦のカフェインの摂取目安といわれています。

次に、カカオに含まれるカフェイン量がどのくらいか見てみると、某有名メーカーのココアパウダー(カカオパウダー)に含まれるカフェイン量は100gあたり0.2g(200mg)と書かれています。また、同じく有名メーカーの高カカオチョコレート(99%カカオ)は、100g中のカフェインが120mgとありますので、カカオニブも100gあたり100~200mgほどのカフェインを含む商品が多いのではないかと考えられます。

数字だけを見ると、コーヒーや緑茶よりもカフェイン量が多く見えますが、カカオニブやパウダーの場合、コーヒーやお茶などのように湯水で抽出して利用するわけではありませんので、単純比較してはいけません。では結局、どのくらいなら大丈夫なのでしょうか?

カカオニブなどに含まれるカフェイン量が間違いなく100g中100~200mgだとすると、カカオニブを100g以上食べないと妊婦の摂取上限に達しませんので、少量を食べている分にはそれほど問題がないように思えます(なお、カカオニブ100gは相当ヘビーです)。

とはいえ、妊娠中の母体は不安定なことも多いですから、心配な方はお医者さんなどに相談するようにして下さい。

 


カカオニブ(カカオパウダー)のトラブル

高カカオチョコレートに注意

健康ブームやダイエットニーズに合わせて、高カカオチョコレートが増えてきました。カカオ〇%などと書かれているチョコレートなんかがそれです。この高カカオチョコレート、通常のチョコレート菓子よりも砂糖の使用量が少なくヘルシーで体に良いように思えますが、実はそういうわけではありません。

国民生活センターが行った調査によると、高カカオチョコレートの方が通常のチョコレート菓子よりもカロリー(エネルギー量)が多いことが分かったのです。この原因は、カカオに含まれているカカオバターという脂肪分によるものです。

「チョコレートの話だから、カカオニブやパウダーは関係ないんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、チョコレートに使われるカカオ(カカオマス)はカカオニブをペースト状にしたものですから、基本的に同じものです。カカオニブもパウダーも約50%はカカオバターでできていますから、カロリーは高めです。

一時期ブームになった高カカオダイエットのように、カカオニブを大量に食べ続けるようなことをすれば、脂肪の過剰摂取になりかねませんし、かえって逆効果です。

スーパーフードとはいえ、カカオニブにも良い面と悪い面がありますので、節度を守って利用するように心がけましょう。

※国民生活センター「高カカオをうたったチョコレート」の結果報告より抜粋

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