亜麻仁油は、寒冷地に多く生息するアマという植物の種から採れる食用油で、古くは工業用油としても利用されていました。近年、アマニ油に含まれる豊富なオメガ3に注目が集まり、えごま油と並ぶスーパーオイル、スーパーフードとして評価されています。
亜麻仁油の魅力
1.体に良いオメガ3必須脂肪酸を50%以上含む
亜麻仁油には、「α-リノレン酸」という脂肪酸が50%以上も含まれています。このα-リノレン酸は、青魚に多く含まれるDHAやEPAなどといったオメガ3必須脂肪酸の仲間で、体重管理やダイエット、高血圧、糖尿病といった生活習慣病予防に役立つほか、アルツハイマーやアレルギー疾患などにも有効性があるとされ注目を集めています。
各種メーカーから販売されてますがニューサイエンスの亜麻仁油が私は大好きです。
自然界でこれほど多くのα-リノレン酸を含む植物油は少なく、近年人気がでてきているのがアマニ油なのです。
亜麻仁油の食べ方
一般的には1日あたりティースプーン1杯(2~4g)が目安と言われます。直接食べることもできますが、毎日続けると飽きてしまうので、料理などにも応用したいところです。
ただ、あまに油に含まれるα-リノレン酸は熱に弱く、加熱せずに食べるのがスタンダード。ドレッシング代わりにしたり、炒め物やパスタの仕上げにかける、お味噌汁※などのアクセントに使うのもアリです。インターネットのレシピ集などを検索すると、結構な数のメニューがヒットします。(※温菜に使う場合は、少し冷ましてから亜麻仁油を加えるなど、温度に注意して下さい)
また、あまに油はメーカーによってクセの強いものと弱いものがありますので、風味によって使い分けると、レシピに幅がでます。たとえば、微妙な香りを楽しむ料理であれば、クセの弱い亜麻仁油を使う方が、料理の風味を損ないませんし、逆に香りの強いものにはアマニ油もクセ・風味のあるものをチョイスすると、パンチの利いたメニューができます。
そもそも亜麻仁油のクセが苦手だという方は、風味の強い料理と合わせたり、クセの弱いメーカーの亜麻仁油を選ぶようにしましょう。
亜麻仁油の選び方
1.オススメの産地と時期
あまに油の原料となる亜麻は、比較的寒冷地で栽培されます。そのため、日本で商業的に栽培しているところは北海道くらいで、国産品はあまりお見かけしません。正直、国産の亜麻仁油は入手困難なのが実情ではないでしょうか。
日本で流通しているアマニ油の産地でポピュラーなのが、カナダやニュージーランドといった国々です。どちらの国もオーガニック文化が根付いていますので、無農薬栽培の亜麻仁油なども比較的安価で手に入ります。
こういった国々で原料となる亜麻を栽培する場合、栽培方法にもよりますが、カナダのように北半球に位置する国と、ニュージーランドといった南半球の国々で、亜麻の収穫期が異なります。日本と同じ北半球のカナダでは、亜麻の収穫期は8月前後、南半球の国だと2月頃になります。なるべく鮮度の良い亜麻仁油を選ぶには、産地ごとの収穫期を考えて選ぶと良いでしょう。
2.ベストな製造方法は?
あまに油は熱に弱いため、加熱せずに搾油する「低温圧搾」という製法を用いていることが望ましいです。品質にこだわっているメーカーだと、熱や紫外線を避けるため、原料収穫直後に冷蔵車(クール宅配便のようなイメージ)で倉庫まで運搬し、搾油するまで冷暗設備で保管するほど温度管理を徹底しているところもあるそうです。
なお、精製※を行っていないものの方が、自然な亜麻仁油を口にすることができますが、クセが残っているため、好みで選び分けて下さい。(※不純物や色素、風味を取り除く作業)
3.色や品種の違いで選ぼう
亜麻仁油の原料となる亜麻種子には、「ブラウン種」と「ゴールデン種」の2種類があります。
ブラウン種は古来から栽培されている在来品種で、亜麻独特の風味が楽しめます。ブラウン種から絞ったアマニ油は、未精製であれば茶色~オレンジがかった色をしています。
一方のゴールデン種は、品種改良によって生まれた比較的新しい品種で、クセが弱く食べやすいのが特徴です。こちらの品種から作られる亜麻仁油は、黄金色をしています(精製されたものも黄金色をしている場合がありますので、外観だけでは判別が難しいです)。
ブラウン種、ゴールデン種、どちらも栄養価は変わりませんが、あまに油のクセが苦手な方はゴールデン種の方を、こだわりのある方はブラウン種を選んでおけば、間違いありません。
亜麻仁油の豆知識
1.亜麻仁油とえごま油は何が違う?
見た目や用途が似ているため、比較されることの多い亜麻仁油とえごま油。主成分となるα-リノレン酸の含有量に大きな差はなく、正直なところ健康効果はどちらも大差ないと思われます。
違いがあるとすれば、ひとつは「主産地」でしょうか。アマニ油・えごま油とも日本で栽培された原料を使っている製品もありますが、主産地でいえばアマニ油はカナダやニュージーランド、ヨーロッパなどを原産とするものが多く、えごま油は中国や韓国といったアジア圏が中心です。
もう一つの違いは、含まれているポリフェノールの種類です。亜麻には抗ガン作用があると言われるポリフェノール「リグナン」が含まれています。一方のえごまにも、抗炎症・抗酸化作用のある「ルテオリン」というポリフェノールが含まれています。これらのポリフェノール含有量を表示しているメーカーは見かけたことがなく、どの程度の効果が期待できるか分かりませんが、あまに油とえごま油にはこのような違いもあるようです。