更年期障害がいつから始まるか、ご存知ですか?50歳前後と思っている方が多いようですが、実際には30代から更年期障害が始まることもあれば、更年期障害が全然なかったという場合もあります。初潮を迎える時期には個人差があって(多くは11歳から14歳の間)、人それぞれであるのと同じように、個人差が大きいのです。
更年期とは、閉経を挟んだ前後10年間のこと。日本産科婦人学会の調査によると、一般的に、現代の日本人女性の平均的な閉経年齢は50.5歳。
40歳ぐらいから少しずつ増え始め、50歳がピーク、60歳までにはほぼ全員が閉経を迎えます。ですから、およそ45歳から55歳の間が更年期と言えます。
なお、更年期はすべての女性が経験する時期ですが、更年期障害はすべての女性に起こるとは限りません。
その症状の種類、発症する部位、症状の重さも個人によって様々です。
早期閉経は体のSOSサイン
44歳以下で迎える閉経は通常と区別し「早期閉経」と呼ばれています。
その原因のトップは、喫煙(受動喫煙を含む)。国内の複数の研究機関によって、喫煙者は非喫煙者に比べて閉経年齢が早いことが分かっています。
卵巣と卵巣につながる血管に対してタバコの煙成分(ニコチンやタールなど)が悪影響をあたえ、卵巣の排卵機能と女性ホルモンを作り出す力を弱めてしまうのです。
また、極端な菜食主義、過剰なダイエットも早期閉経の原因になります。偏った食事や無理な運動は、人間の生命をコントロールしている「脳幹」にじわじわとストレスを与えます。その結果、卵巣機能の低下を招き、女性ホルモンを作り出すことが難しくなってしまうのです。
まだ閉経していない若い女性にも、更年期障害のような症状がみられることがあります。女性ホルモンの量がピークを過ぎて、少しずつ減り始めた30代後半から40代半ばに多く、「プレ更年期」と呼ばれています。
女性ホルモンの量が減り、ホルモンバランスが不安定になっているので、身体の不調や感情の揺れが出やすいのです。
それは疲れやすい、だるい、頭が重い、イライラするといった不定愁訴(漠然とした不安定な症状)。生理不順にもなりやすいので、婦人科できちんと診察を受けてみましょう。
閉経が遅い場合のリスク
早期閉経とは逆に、閉経が遅い場合にもリスクがあります。
特に子宮筋腫の方は要注意です。
女性ホルモン(エストロゲン)が活発なままだと、筋腫が悪化しやすいのです。この場合、偽閉経療法を行うこともあります。
注射や点鼻薬を使用し、人為的に閉経を早める(閉経に似た状態を作り出す)のです。筋腫が大きい場合には子宮の摘出を行う場合もあります。
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