モリンガ(モリンガ・オレイフェラ)はワサビノキ科ワサビノキ属の植物で、インド原産のハーブ系スーパーフード。別名「奇跡の木」とも呼ばれ、葉の部分に豊富な栄養素を含んでいるほか、種から採れる油などにも高い美容効果があると言われています。
モリンガの魅力
300種類以上の薬効
インドのアーユルヴェーダでは薬草として利用されているモリンガには、ビタミンやミネラル、食物繊維、アミノ酸、ポリフェノール、ギャバなどといった何十種もの栄養素が含まれています。このおかげで、高血圧などの生活習慣病や便秘・肥満予防、花粉症やアレルギー疾患、美容効果などに幅広く作用するといわれ、なかでも腸内環境の改善やデトックス効果に期待が高まっているスーパーフードです。
モリンガの食べ方
モリンガは葉、茎、根、花、種と、ほとんどの部分が食用になりますが、スーパーフードとしてよく売られているモリンガは葉の部分をパウダーにしたものです。パウダータイプのモリンガは、水やお湯に溶かしてモリンガ茶にするほか、飲み物やスムージー、スープ・カレーに混ぜたり、お菓子の生地や麺などに練り込んで使います。
モリンガ粉末からお茶を作る場合の注意点としては、テーバッグなどに入れて煮出すのではなく、粉茶のようにモリンガ粉末をまるごと溶かして下さい。その方が、水に溶けない栄養素まで吸収できるので無駄が少ないかと思います。また、高温のお湯だとモリンガの栄養素が壊れてしまう可能性もありますから、なるべく水か40℃くらいまでのぬるま湯で溶かすようにしましょう。
参考までに、モリンガの部位ごとの簡単な使用例も記載します。
葉、茎、花 | 野菜感覚で料理などに |
根 | すりおろしたものを、ワサビのように香辛料として |
花 | 乾燥させたものをハーブティーとして |
種 | 油を搾ってモリンガオイルに |
モリンガの選び方
値段、ラインナップ、利便性を総合的にみると、パウダータイプ(葉の部分を使用)のモリンガがオススメ。手軽さ重視の方やモリンガの味が苦手な方には、タブレットタイプのモリンガサプリがオススメです。ティーバッグタイプのモリンガ茶はサッと使えて便利ですが、葉っぱそのものを捨てることになってしまい、少しもったいないです。
モリンガパウダーの場合、海外製か沖縄・九州の一部で栽培されている国産モリンガがあり、安心安全という点では国産品が無難です。ただ、本場インド産のモリンガも高品質・低価格なので魅力的ですし、フィリピン産のモリンガも質が高いという意見もありますので、産地については一概にどこがよいというわけではなさそうです。
なお、ご自身でモリンガを栽培される方に注意点ですが、スーパーフードとして利用されるモリンガは、植物学上「モリンガ属」と呼ばれるワサビノキ科モリンガ属(アフリカなどに多く自生)ではありません。スーパーフードの「モリンガ」は、インド原産の「モリンガ・オレイフェラ」(ワサビノキ科ワサビノキ属)という植物を指します。
見ればすぐに違いがわかりますが、アフリカなどに生えるモリンガ属の植物は、玉ねぎのように根のあたりが膨らんでいます。スーパーフードに利用される「モリンガ・オレイフェラ」はまっすぐな樹木で、アフリカ原産のモリンガ属とは全くの別種。
ワサビノキ属の方が「モリンガ」で、モリンガ属の方は「???」になってしまい少し複雑ですが、間違わないようにご注意ください。
モリンガの豆知識
モリンガで温暖化ストップ
モリンガは、杉などの樹木の何十倍ものCO2(二酸化炭素)を吸収できると言われており、栽培することで地球の温暖化に貢献できるのではと考えられています。人にも地球にもやさしいモリンガには、これからも目が離せません。
正しく安全に利用するには
体に良いとされるモリンガですが、食べ過ぎると下痢のような症状を引き起こす可能性がありますので、過剰摂取は控えるようにしてください。また、動物実験レベルではありますが、モリンガには堕胎を引き起こす可能性が示唆されていますので、妊娠中の方などは医師に相談するようにしましょう。