フラックスシード(亜麻仁油)とは?
意外に深~い歴史!
別名リンシードオイル(Linseed)とも呼ばれ、日本名は亜麻仁油で知られています。
亜麻(フラックス)は青紫のきれいな花を咲かせる亜麻科の植物で、その種子(シード)を仁と表記します。
皆さん、麻布(あさぬの)はご存知ですよね?
麻の繊維は亜麻の茎からとれるのですが、実は一般的な麻と呼ばれる繊維は、なんと20種類もの植物からとれるんです!
その中の一種、亜麻からとれる麻の繊維はリネン(Linen)といいます。
麻=リネンと思っていた方も多いのではないでしょうか?
私も実はそうでした(^^)v
リネンは布はもとより紙の原料としても使われていました。
亜麻は地中海地方が原産の自生の植物で、人類が初めて栽培した繊維用植物と言われています。
古い話では石器時代から始まり、紀元前7000年ころには中東北部のトルコやシリアなどで、紀元前5000年ころにはエジプトで使用されていたようです。エジプトではミイラを巻いているあの包帯のような布の原料として使われていたようですよ。
つまり、あの包帯はリネンだったんですね!
古代よりリネンは強靭なのに肌触りが滑らかという、品質が最上級の布として重宝されていました。
現在リネンは、フランス北部やベルギー、ロシア、東欧や中国などの寒い地方で栽培されています。
フラックスシード(亜麻仁油)の食用の歴史
西暦800年ころからフランスを中心に食用としての栽培が始まり、種子を食べたり、圧搾して亜麻仁油としても利用されていました。
当時のフランス皇帝 シャルルマーニュが、『臣民は亜麻の実を摂るべし』とし、健康のための摂取を推奨していたほどだとか!
現在の日本のフラックスシードオイルの産地は、主にカナダやニュージーランドです。
フラックスシードオイルの健康効果
フランス皇帝が国民に、健康に良いから是非食べなさいと「おふれ」を出すほど、健康効果の高いフラックスシードオイル。
フラックスシードには、タンパク質、脂質、炭水化物、食物繊維などが含まれており、約4割を占める脂質の6割は、オメガ3系必須脂肪酸の一つ、「α-リノレン酸」。この割合は実に驚異的な数字で、つまり24%もα-リノレン酸を含む食品は他にありません。
現在はさらに研究が進み、食物繊維と抗酸化力に優れ、がんや糖尿病、心疾患のリスクを低下させる健康な油として証明されています。
α-リノレン酸は体内で生成できず食品から摂らなければならない必須脂肪酸の代表格です。
アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患は、オメガ6系リノール酸の過剰摂取が一因とされています。α-リノレン酸はリノール酸の働きを抑えるため、アレルギー症状を緩和する作用があります。
- ガン予防(特に乳がん、肺がん、大腸がん)
- コレステロールの低下
- 更年期のほてりを防ぐ
- 糖尿病予備軍の人の血糖コントロールを改善
- 放射線から皮膚組織を保護する
- アレルギー性疾患の改善
- 脳細胞の活性化(認知症予防)
- 動脈硬化・脳梗塞・心筋梗塞・高血圧などの予防
- 免疫機能の改善・促進
など、とても多くの効果が期待できる油です。
副作用はある?
個人差が大きいのですが、以下のような副作用が報告されています。
- お腹にガスがたまる、お腹の張り
- 腹痛
- 吐き気
- 便秘
- 下痢
妊婦や腸閉塞を患っている人は、何らかの影響がある可能性がありますので、医師に相談してくださいね。
いずれにしても、是非摂取したいオメガ3系脂肪酸。
加熱するとトランス脂肪酸が一気に増加しますので、是非ドレッシングオイルなど、生食で摂取してくださいね!
この記事へのコメントはありません。