スーパーフード「ヘンプシードオイル」とは

ヘンプシードオイル果実

スーパーフード「ヘンプシードオイル」とは

2016.01.19 / 最終更新日：2016.01.19

日本でも昔から利用されてきた植物「麻」。その麻の実（ヘンプシード）から採れる油がヘンプシードオイルです。ヘンプシードには、オメガ６とオメガ３必須脂肪酸がバランスが良く含まれており、生活習慣病対策に有効。また、味も日本人向きなため、最近人気が高まっているスーパーフードです。

麻の実

ヘンプシードオイル

ヘンプシードオイルの魅力

１．オメガ３とオメガ６必須脂肪酸の含有バランスが良い

オメガ３脂肪酸とオメガ６脂肪酸は、1：3の割合で摂取するのが望ましいとされています。ヘンプシードオイルに含まれる必須脂肪酸の割合はこの比率にかなり近く、必須脂肪酸をバランスよく取れるスーパーフードとして注目されています。

２．希少なオメガ３必須脂肪酸が含まれる

ヘンプシードオイルに含まれるオメガ３必須脂肪酸のひとつは、中性脂肪代謝や血行改善、脳の活性化などが期待される「α－リノレン酸」という種類の脂肪酸です。オメガ３系オイルの多くは、このαリノレン酸という必須脂肪酸を多く含むケースが多いですが、ヘンプシードオイルはこれに加えて「γ－リノレン酸」という珍しいオメガ３必須脂肪酸も含有しています。γスーパーフードのなかでも、γ－リノレン酸を含むものは限られており、これが最大の特徴といってもいいでしょう。γ－リノレン酸は比較的新しい機能性成分で、アトピーの改善やアンチエイジング、血糖値の抑制といった観点で現在も研究が進められています。

ヘンプシードオイルの食べ方

加熱に弱いため、ドレッシングにしたりパスタの仕上げに利用するといった使い方がポピュラー。また、比較的日本人向きの風味であり、オメガ３系オイルの中でも和食などに使いやすいのが特徴です。ヘンプシードオイルの原料となっている麻の実（ヘンプシード）自体もスーパーフードのひとつですので、ヘンプシードとヘンプシードオイルの双方を使ったメニューも相性が良くオススメ。

そのほか少し変わった利用法として、亜麻仁油など別のオメガ３オイルなどと混ぜてブレンドオイルにするのも手です。オメガ３系オイルはクセの強いものが多いですが、ヘンプシードオイルとブレンドすることで癖が穏やかになり、使いやすくなります。

ヘンプシードオイルの選び方

日本は大麻取締法により麻（ヘンプ）の栽培に規制がかけられていますので、日本原産のヘンプシードオイルは入手困難、基本的に輸入品を購入することになります。そのため、原産国に注目して選ぶようにして下さい。ヘンプシードオイルの原産国で人気なのはカナダやニュージーランドで、有名なスーパーフードメーカーでも、これらの国の原料を利用しているケースが多いです。これらの国々はヘンプ産業の先進国であり、オーガニック文化も根付いていますから、かなり高品質なヘンプシードオイルが手に入ります。

選ぶポイントとしてもう１点挙げるとすれば、製造方法に注意するようにして下さい。ヘンプシードオイルなどのオメガ３オイルは熱に弱いため、熱を加えずに油を搾る「低温圧搾（コールドプレス）」という製法を用いることが望ましいです（搾油効率の良い高温圧搾は、ヘンプシードオイルには不向きです）。

ヘンプシードオイルの豆知識

１．ヘンプシードって大麻と同じなの？

ヘンプシードオイルの原料は、いわゆる「大麻」から採れる実（種）です。そのため、「スーパーフードといっても大麻の成分が入ってるんじゃないの？」と疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。しかし、大麻成分であるTHC（テトラヒドロカンナビノール）は、種の方には余り含まれていません。また、ヘンプシードオイルの原料にされる麻の実は、大麻成分を含まない「THCフリー」という規格を遵守したものが使用されていますのでそういった心配はなく、安心して利用できるものです。

２．ヘンプシードは日本でも昔から利用されていた！？

麻の実は、七味唐辛子の具材などとして、日本でも以前から利用されてきました。また、神社などで見かける「しめ縄」も麻の繊維が利用されていますし、伝統的な着物の模様には「麻柄」という麻がモチーフになったものがあります。ヘンプシードオイルが日本人の味覚に合うのは、こういった文化があったからかもしれませんね。